大気の状態が不安定??
2014/08/23 Sat 00:14
天気予報を聞いていると、『大気の状態が不安定で』ってセリフをよく耳にします。でも、これってどういう状態??って素朴な疑問ありませんか[悩み]
実は私、気象予報士でもあるので、たまにはそれらしく解説してみようと思います[残業]。
大気の状態が不安定=上昇気流が大きくなりやすい状態
まず、気象庁のホームページでは「大気の状態が不安定:局地的な対流活動が起こりやすいこと」と定義されています。漠然としすぎていてよく分かりません。また、Wikipediaに至っては、「大気に微小擾乱(じょうらん)を発生させたときの、その大気の振る舞いを表す。擾乱が弱まってもとの平衡状態に戻る場合は安定、擾乱が強まって元の状態に戻らない場合は不安定という」となっています。素人には全く持って意味不明です[ショック]。
実は私、気象予報士でもあるので、たまにはそれらしく解説してみようと思います[残業]。
大気の状態が不安定=上昇気流が大きくなりやすい状態
まず、気象庁のホームページでは「大気の状態が不安定:局地的な対流活動が起こりやすいこと」と定義されています。漠然としすぎていてよく分かりません。また、Wikipediaに至っては、「大気に微小擾乱(じょうらん)を発生させたときの、その大気の振る舞いを表す。擾乱が弱まってもとの平衡状態に戻る場合は安定、擾乱が強まって元の状態に戻らない場合は不安定という」となっています。素人には全く持って意味不明です[ショック]。
それでは、大気の状態が不安定とはどのような状態か?簡単に言うと、発生した上昇気流がどんどん大きくなってしまう状態です[うれしい](厳密にいえば下降気流についても考えなくてはいけないのですが、あくまで簡単に)。
これを考えるには『熱エネルギー』を中心にして考えると、分かりやすいかと思います。
空気は、熱エネルギーを多く持っていると、軽くなり、上へ上へと昇っていく性質があります。日中、太陽からの熱エネルギーを受け、暖められた地上付近の空気は軽くなり、上昇気流となります。しかし、この時に、上空に大量の熱エネルギーを持った空気があると、上空の空気の方が軽いので、上昇気流はその高さでストップしてまいます。この状態が、『大気が安定している』状態です。
逆に、上空の空気の熱エネルギーが小さいと、下から上がってきた空気は、上空の空気よりも軽いので、さらに上昇を続け、大きな上昇気流となります。この様な大気の構造に(下の空気の方が熱エネルギーが大きく)なっている時、『大気の状態が不安定』となります。
熱エネルギーが大きいや小さいとは、単に暖かい・冷たいだけでなく、空気に含まれる水分も関係してきます。これは、水は空気よりも大量の熱エネルギーを持つことが出来るので、湿っている空気の方が、熱エネルギーが大きくなるからです。
つまり、暖かく湿った空気は、大量の熱エネルギーを持っていることになります。逆に、乾燥した冷たい空気の熱エネルギーは非常に小さくなります。
天気予報で、「上空に乾燥した寒気が入り込むため」とか、「南から暖かく湿った空気が流れ込むため」、といった『大気の状態が不安定』になる原因を耳にするのはこのためです。
大気の状態が不安定=天気が崩れやすい?
大気の状態が不安定の時、先に述べたように上昇気流はどんどん大きくなって、強くなります。熱エネルギーをたくさん持った上昇気流ですが、上空へ行けばさすがに冷やされ、中に含まれた水分はやがて水滴となり、雲を作ります。しかし、それでもまだまだ上昇し続けるので、雲もまた高く高く成長していきます。これが積乱雲です。
さらに、上昇気流が強いので、小さい水滴はなかなか雨となって地上に落ちてくることが出来ず、どんどん大きな水滴に成長していきます。また、水滴が上昇気流で動く時の空気との摩擦で電気が発生し、雷となります。
そして、充分に水滴が大きくなると、さすがの上昇気流でも支えきれなくなり、一気に大粒の雨となって降り注ぎます。すると、今度はその雨の勢いで空気も下に下がり始め、強い下降気流が発生し、突風が吹きます。
このようにして、大気の状態が不安定な時には、急速に積乱雲が発達し、雷がなり、大雨が降り、突風が吹く可能性があるのです。最近じゃ『ゲリラ豪雨』なんて呼ばれていますが…(気象庁では気象用語として用いていない)。
これを考えるには『熱エネルギー』を中心にして考えると、分かりやすいかと思います。
空気は、熱エネルギーを多く持っていると、軽くなり、上へ上へと昇っていく性質があります。日中、太陽からの熱エネルギーを受け、暖められた地上付近の空気は軽くなり、上昇気流となります。しかし、この時に、上空に大量の熱エネルギーを持った空気があると、上空の空気の方が軽いので、上昇気流はその高さでストップしてまいます。この状態が、『大気が安定している』状態です。
逆に、上空の空気の熱エネルギーが小さいと、下から上がってきた空気は、上空の空気よりも軽いので、さらに上昇を続け、大きな上昇気流となります。この様な大気の構造に(下の空気の方が熱エネルギーが大きく)なっている時、『大気の状態が不安定』となります。
熱エネルギーが大きいや小さいとは、単に暖かい・冷たいだけでなく、空気に含まれる水分も関係してきます。これは、水は空気よりも大量の熱エネルギーを持つことが出来るので、湿っている空気の方が、熱エネルギーが大きくなるからです。
つまり、暖かく湿った空気は、大量の熱エネルギーを持っていることになります。逆に、乾燥した冷たい空気の熱エネルギーは非常に小さくなります。
天気予報で、「上空に乾燥した寒気が入り込むため」とか、「南から暖かく湿った空気が流れ込むため」、といった『大気の状態が不安定』になる原因を耳にするのはこのためです。
大気の状態が不安定=天気が崩れやすい?
大気の状態が不安定の時、先に述べたように上昇気流はどんどん大きくなって、強くなります。熱エネルギーをたくさん持った上昇気流ですが、上空へ行けばさすがに冷やされ、中に含まれた水分はやがて水滴となり、雲を作ります。しかし、それでもまだまだ上昇し続けるので、雲もまた高く高く成長していきます。これが積乱雲です。
さらに、上昇気流が強いので、小さい水滴はなかなか雨となって地上に落ちてくることが出来ず、どんどん大きな水滴に成長していきます。また、水滴が上昇気流で動く時の空気との摩擦で電気が発生し、雷となります。
そして、充分に水滴が大きくなると、さすがの上昇気流でも支えきれなくなり、一気に大粒の雨となって降り注ぎます。すると、今度はその雨の勢いで空気も下に下がり始め、強い下降気流が発生し、突風が吹きます。
このようにして、大気の状態が不安定な時には、急速に積乱雲が発達し、雷がなり、大雨が降り、突風が吹く可能性があるのです。最近じゃ『ゲリラ豪雨』なんて呼ばれていますが…(気象庁では気象用語として用いていない)。
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