三毛猫の秘密~ほぼ100%メスである~
2014/08/13 Wed 15:59
最近気になったCMの1つに、『実は…、三毛猫はほぼ100%メスである』という文句で始まるものがあります。以前に、この話を聞いたとき、とても興味深くて面白いと思ったので、ここで少し解説してみます。
『なぜ三毛猫はほぼメスなのか?』、その答えを知るには少し遺伝学の勉強をする必要があります。
まず、生物の細胞には染色体と呼ばれるその生物の設計図が書かた巻物のようなものがあります。この染色体は複数本あって、両親から半分ずつもらい、子供に半分分け与えるという形になっています。例えば、『ヒト』であれば、両親から23本ずつもらい、合計46本になり、そして、子供にもまた、23本分け与えるという形になります。
『なぜ三毛猫はほぼメスなのか?』、その答えを知るには少し遺伝学の勉強をする必要があります。
まず、生物の細胞には染色体と呼ばれるその生物の設計図が書かた巻物のようなものがあります。この染色体は複数本あって、両親から半分ずつもらい、子供に半分分け与えるという形になっています。例えば、『ヒト』であれば、両親から23本ずつもらい、合計46本になり、そして、子供にもまた、23本分け与えるという形になります。
その中の2本に性別を決める特別な染色体があります。X染色体とY染色体といいます。
子は両親から、XかYのいずれか1本ずつを貰います。そして、Y染色体を貰い受けるとオス(男)になります。つまり、父と母各々からXを貰ったXXならメス(女)、父からY、母からXを貰うとオス(男)になるというわけです(因みに、母は必ずメスなので、最初からXしか持っていないので、Yをあげることは出来ません)。
細かいことを言えば、性別に関しては、すべての生物がXとYで決まってわけではありませんが、大抵は似たような仕組みになっています。少なくても『ヒト』と『ネコ』についてはこの仕組みです。
さて、話は本題に入ります。
三毛猫は、基本的には白・黒・茶色の3色の毛色を持っています。このうち、白と黒については性別に関係なく子に遺伝していきます。
しかし、茶色の毛色を持つためには、黒を茶色に変える性質を持つX染色体が必要になります。そして、黒と茶色の2色を持つためには、その性質を持つX染色体と持たないX染色体の2種類のX染色体を持つ必要があります。
つまり、XXということになり、メスになっちゃうということなんですね~。
このように、性別に伴って遺伝していくことを伴性遺伝と言います。
では、逆になぜ『ほぼ100%』なのか?
今までの説明だと『100%』メスになりそうなものですが…。
ここが生物の面白いところで、必ずしも理論通りにはいかないこともあるんですね。
1つは、子に染色体を半分だけ分け与えるために、親は、自分の染色体の数を半分にする作業をします(減数分裂)。この時に、うまく半分に分けられず、Xを2本またはXとY2つとも子にあげてしまうことがあります。そうすると、XXYとなって、Yがあるにも関わらず、Xも2本ある状態、オスの三毛猫が生まれるんですね。
これはヒトでも起こりうることで、医学的にはクラインフェルター症候群と呼ばれています。
しかし、三毛猫のオスを調べてみると、クラインフェルターは三毛猫3万匹に1匹くらいで、実際のオスの確率1000~3000匹に1匹よりかなり低い確率となっています。
多くのオスの三毛猫はXXであることが多いそうです。これは、転座と呼ばれる現象によるものと考えられています。減数分裂の過程で、うまく分かれることが出来ずに、X染色体にY染色体の一部が付着してしまい、それが子に引き継がれ、オスとして誕生すると言われています。
そんなこんなで、オスの三毛猫が生まれることがあるため、『ほぼ100%』なのです。これは、遺伝や発生におけるエラーなのかもしれませんが、そのような突然変異を繰り返し、生物は多様化し、進化してきたと考えると、とても面白い話だと思いませんか?
子は両親から、XかYのいずれか1本ずつを貰います。そして、Y染色体を貰い受けるとオス(男)になります。つまり、父と母各々からXを貰ったXXならメス(女)、父からY、母からXを貰うとオス(男)になるというわけです(因みに、母は必ずメスなので、最初からXしか持っていないので、Yをあげることは出来ません)。
細かいことを言えば、性別に関しては、すべての生物がXとYで決まってわけではありませんが、大抵は似たような仕組みになっています。少なくても『ヒト』と『ネコ』についてはこの仕組みです。
さて、話は本題に入ります。
三毛猫は、基本的には白・黒・茶色の3色の毛色を持っています。このうち、白と黒については性別に関係なく子に遺伝していきます。
しかし、茶色の毛色を持つためには、黒を茶色に変える性質を持つX染色体が必要になります。そして、黒と茶色の2色を持つためには、その性質を持つX染色体と持たないX染色体の2種類のX染色体を持つ必要があります。
つまり、XXということになり、メスになっちゃうということなんですね~。
このように、性別に伴って遺伝していくことを伴性遺伝と言います。
では、逆になぜ『ほぼ100%』なのか?
今までの説明だと『100%』メスになりそうなものですが…。
ここが生物の面白いところで、必ずしも理論通りにはいかないこともあるんですね。
1つは、子に染色体を半分だけ分け与えるために、親は、自分の染色体の数を半分にする作業をします(減数分裂)。この時に、うまく半分に分けられず、Xを2本またはXとY2つとも子にあげてしまうことがあります。そうすると、XXYとなって、Yがあるにも関わらず、Xも2本ある状態、オスの三毛猫が生まれるんですね。
これはヒトでも起こりうることで、医学的にはクラインフェルター症候群と呼ばれています。
しかし、三毛猫のオスを調べてみると、クラインフェルターは三毛猫3万匹に1匹くらいで、実際のオスの確率1000~3000匹に1匹よりかなり低い確率となっています。
多くのオスの三毛猫はXXであることが多いそうです。これは、転座と呼ばれる現象によるものと考えられています。減数分裂の過程で、うまく分かれることが出来ずに、X染色体にY染色体の一部が付着してしまい、それが子に引き継がれ、オスとして誕生すると言われています。
そんなこんなで、オスの三毛猫が生まれることがあるため、『ほぼ100%』なのです。これは、遺伝や発生におけるエラーなのかもしれませんが、そのような突然変異を繰り返し、生物は多様化し、進化してきたと考えると、とても面白い話だと思いませんか?
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