子供の発熱
子供の発熱について……。
普段当直をしていると、よく目にするのが子供の発熱……。
『保育園から連絡があって、午後から熱が出て、様子見ていたんですけど、どんどん上がってきて、39℃以上になってしまいました。』と言って、慌てて来るお母さん。
確かに、そのお母さんの心配も自分は良く理解できるし、病院へ来るのが悪いとは言いません。。
でも、ちょっとした正確な知識があれば、何もあわてる必要がないことが理解できるはず…。
子供の場合(大人も含めて)、発熱の原因の多くはいわゆる『風邪』によるものです。そして、その風邪は、ウイルスの感染によるものなのです。
ここで、重要になるのが、ウイルスと細菌の違い。
この二つは全く違うものです。どのように違うのかは難しくなるのでここでは割愛させてもらいますが、とにかく、その構造、生活史、性質まで全く異なります。そして、最も重要な違いが、こららを『やっつける薬』があるかどうかです。
結論から言うと、細菌には抗生物質が効きます。しかし、ウイルスに効く薬は、数種類を除いてありません。インフルエンザ、ヘルペス、エイズ、肝炎など一部のウイルスのみです。他のいわゆる多くの風邪に効く薬はありません。
では、『病院でもらう薬は何っ』てことになりますよね。
病院では、その風邪の症状を和らげる薬を出しているのです。咳止め、鼻水止め、のどの腫れ止め、痛み止め、熱冷ましetc...しかし、風邪を早く治すには、『安静にすること』だけなのです。無理に病院へ来る方が、かえって悪化を招く事態になりまねません。したがって、熱があるだけで、他に強い症状、例えば、咳が多くて、呼吸が出来ない、鼻水が詰まっていて呼吸が出来ない(1歳未満は、鼻で呼吸していることが多く、鼻が詰まると苦しくなる)、熱が高すぎてグッタリしている、泣かないなどが無ければ、そのまま様子を見ていて良いということになります。
ただし、脱水症状を起こしやすいのも子供の特徴です。水分は十分に取らせてあげてください。また、一晩くらいなら、水分が取れなくても問題はありませんが(年齢にもよる。3歳未満は問題あることあり)、その時は翌朝には必ず病院へ言って、そのことを話してください。
また、3ヶ月未満の発熱はそれだけで異常事態です。これはすぐに病院へ行きましょう。出来れば小児科の入院の出来る病院へ。恐らく、無条件で入院になると思います。
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