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救急車の利用

 近年、軽症者の救急車利用が問題となっている。

 

 先日、日曜日の話。

 救急センターにて日直をしていると、胸苦を訴える60代の男性が16時頃に来院した。来院時は、症状がかなり落ち着いていたようだが、11時頃はかなり苦しく、自宅で寝て様子を見ていたという。しばらく休んでいると、少しずつ症状が軽くなり、動けるようになったので、来院したとの事。

 話をきくと、ここ1週間くらい、同じようなエピソードが続いていた。しかし、胸苦の持続は30分程度であった。しかし、日曜日は数時間続いたという。

 ここまでの話を聞いただけでも、不安定狭心症、心筋梗塞の可能性は十分にある。そして、落ち着いてはいるものの、未だ続く胸苦。すかさず心電図をとると、ビンゴ!!心筋梗塞だ。

 結局この患者さんは入院し、心臓の血管を広げる治療を受けた。心筋梗塞の範囲は比較的狭く、予後も良さそうである。

 

 その後、この患者さんと話した……。

 

 『相当に苦しかったでしょうに。苦しくなった時、すぐに救急車でいらしていいんですよ。場合によってはすぐに亡くなってしまう恐ろしい病気ですからね。』

 『いや、確かに苦しかったけど、1週間前からあったし、我慢できないほどじゃなかったから。それに、ほら、今、救急車の利用の仕方が悪いって、騒がれているじゃないですか。だから、このくらいで呼んだら申し訳ないと思って。』

 

 こんないい人に限って、重症なんだよな。なかなか難しいものだ[悩み]



Category : 医学
author : よこっち | comments (0) | trackbacks (0) | 編集する

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