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麻酔科医という仕事②

 前回の続きです。

 麻酔科は基本的には、手術時の麻酔を担当します。一口に麻酔といっても、いろいろな方法がありますが、大きく分けると2つに分かれます。全身麻酔と、そうでない麻酔です。

 全身麻酔は、患者さんの意識を無くして行う麻酔です。使う薬によりその方法は更に分かれるですが、ここでは割愛。とにかく、無意識状態を作ることが第1歩となります・・・・・・。そう、第1歩なのです。意識を落として、『さぁどうぞ。』といかない所に麻酔の面白さがあります。

 意識が無くなるわけですから、当然その後のコトは患者さんは覚えていません。覚えていたら困ります[ショック]。恐らく地獄です[ガーン]……。でも、人の体は面白くて、本人は全く覚えていなくても、体は痛みなどの刺激にしっかり反応します。具体的には、痛みが強ければ、血圧や心拍数が上がります。更に、発汗や体温など、いわゆるバイタルサイン(生命徴候)といわれるものが明らかに変化します。何度も繰り返しますが、その時痛かったことなど、患者さんは全く覚えていません。しかし、体は反応します。麻酔の深さが浅い時は、動いてしまうことさえあります。
 『麻酔の3要素』といわれるものがあります。『鎮静、鎮痛、筋弛緩』です。意識を落とし、痛みをとってあげ、動き(呼吸を含む)を抑えることです。実際の麻酔ではこれら3つをうまく組み合わせて行います。
 そうすることにより、手術中の患者さんのバイタルサインの変動を少なく抑えることができます。つまり、体の感じているストレスをなるべく少なくしてあげることが、麻酔科医の本来の仕事といえると思います。そのためには、手術の進行状況を把握し、次に術者が何を行うのか見当をつけ、それにより起こりうる患者の変化を予測します。そして、それにあった対応を考えます。ここに麻酔科の面白さがあると感じています[ワーイ]。

 また、世間に言われる『下半身麻酔』のような背中からの注射で行う麻酔や、『ブロック注射』といわれる、ある領域の神経のみ無効とするするような麻酔方法も行います。これらの麻酔では、患者さんの意識が保たれているため、きちんとしたテクニックを用いて、しっかり痛みをとってあげないと、患者さんに苦痛を強いる事となります。そういう意味では、全身麻酔以上にきちんとした、テクニック、管理が要求されるかもしれません[うれしい]。


Category : 医学 > 麻酔
author : よこっち | comments (0) | trackbacks (0) | 編集する

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